股関節痛や腰痛、関節痛を改善する3つの要因
- 筋肉の質の違い
- 生活習慣の違い(睡眠とストレス)
- 食事の違い
前回の記事でも、股関節痛や腰痛、関節痛を改善する3つの要因があるとお伝えしました。
①の「筋肉の質の違いについて」は下記の記事をご確認下さい。
今回はその続きである②生活習慣の違い(睡眠とストレス)についてご説明していきたいと思います。これを読んでいただくことで常日頃から全力で物事に取り組み、活力あるライフワークが送る手助けになればと思います。
睡眠の重要性、ストレス過多になると睡眠にも影響が?
睡眠が重要なことは皆さんお分かりだと思います。なぜ重要なのか?疲れを取り、体を回復させるために重要ですよね。睡眠は人の三大欲求の一つです。それだけ睡眠は優先順位が高いことの現れになります。しかし、睡眠を取っても体が重い、だるい、回復した気がしないなどスッキリ目覚めることができない方が多くいます。スッキリと起きられない方は原因の一つとしてストレスがあるかもしれません。考え方や価値観などは性格によって異なり、何をストレスと感じるかにも個人差があります。また、対人関係などの悩みだけではなく温度や音、においといった刺激を不快に感じる場合、人によってはストレスとなりますね。このようなストレスは脳で感知され、自律神経や内分泌機能などに影響を与えることで体調に変化が現れたり、睡眠や感情に影響を及ぼしてしまいます。では、どうすれば”睡眠の質”が向上するのか?ストレスを軽減するためにはどうすればいいか?ということに焦点を当てて解説していきたいと思います。
緊張とリラックス
交感神経、副交感神経は自律神経と言われます。自律神経は筋肉を動かす運動神経と違い、僕らの意思とは無関係に「自律」して体の臓器をコントロールしています。例えば、心臓の鼓動のスピード、食べ物を消化、ホルモンを分泌するなどは自律神経の働きによるものになります。心臓を動かそうと思って動かしてはいませんよね?このように自律神経は意思が関係するものではありませんし、生体の恒常性(ホメオスタシス)の維持に重要な役割を果たしています。
- 交感神経=緊張、興奮(主に日中)
- 副交感神経=リラックス(主に夜間)
交感神経、副交感神経は上記のように表現することができます。2つの神経はどちらか一方が活動すると、もう一方は抑制されることでバランスを取っています。
交感神経が優位になると、瞳孔が開き目が冴え、脳が興奮して脈拍が速くなり、交感神経を興奮させる神経伝達物質の「アドレナリン」や「ノルアドレナリン」が分泌されていきます。こういった状態で寝ることをイメージしてみてください。”睡眠の質”が向上し、ぐっすりと眠れそうでしょうか?
では、一方で副交感神経が優位になるとどういったことが起きるのか。まず脈拍が遅くなり、血管が拡張して体温が上がります。また、胃や腸の動きが活発になり消化吸収が良くなることなどが挙げられます。
交感神経 | 副交感神経系 | |
---|---|---|
心臓 | 脈拍増加 | 脈拍減少 |
血管 | 収縮 | 拡張 | 血圧 | 上昇 | 下降 | 瞳孔 | 開く | 閉じる | 唾液 | 量が減りネバネバ | 量が増えサラサラ | 胃腸 | 抑制 | 活発 |
じゃあ副交感神経を優位にさせた方がいいのでは?と思いましたよね?ただこれは交感神経が悪者で副交感神経が正義ということでもありません。本来、それぞれのバランスを取りながら働くものなので、副交感神経が常に優位になり続けている状態も好ましくありません。生活にメリハリがないと自律神経のバランスが悪くなります。
例えば、日中に運動を適度に行わないと交感神経の活性化が足りず、夜間になってから交感神経が働きやすくなります。どちらかの神経ばかりを働かせてしまうことで、自律神経の切り替えが上手くいかなくなると言えます。交感神経が日中活発になることによって、睡眠時に副交感神経への切り替えがスムーズになります。交感神経、副交感神経を上手にON、OFFと切り替えられることが生活していく上でスッキリと起きられたり、ストレスを感じにくくなる要因になります。
ストレスによって失われる栄養
ストレスを受けると脳からの指令によって、副腎皮質から、「コルチゾール」などのホルモンが分泌されます。同時に交感神経が支配している副腎皮質の中の副腎髄質という部分から先ほども出てきた「アドレナリン」などが分泌されます。「アドレナリン」などが分泌されると血糖値、血圧が上昇したりが分泌され続けるとストレスを受けて交感神経が優位になり続けてしまい、不調やトラブルの原因になってしまいます。
ストレスは前述したように様々な内分泌ホルモンによって制御され自律神経を整えています。栄養が足りないとホルモンが分泌されず、またストレスによって栄養も失われていき、バランスを崩してしまいます。その中において砂糖摂取はストレスの1番の原因であり、かつ栄養も奪い去ってしまいます。砂糖は依存物質でガンや生活習慣病のもとになりますが、筋痛症はその前兆であると考えています。
栄養でストレス軽減
ではストレスを減らすにはどうしたらいいのでしょうか?ストレスのかかりやすい人間関係や仕事自体を変えようと思ってもなかなか変えることができないと思います。実は、ストレスを減らすためにも「栄養」が必要です。
- タンパク質
- ビタミンB群
- ビタミンC
- ビタミンE
今回もタンパク質が出て来ましたね。タンパク質が筋肉や脳、臓器など体を作る材料であることは前回の記事の中でお伝えしました。タンパク質はストレスに対抗するために必要なホルモンや神経伝達物質(セロトニン)などの材料にもなります。神経の働きを改善して精神的な安定を促したり、免疫機能や疲労回復にも効果があります。ストレス軽減にも高タンパク質はやはり大事だということです。
疲労回復のビタミンと言われています。疲労感が高いときには必要不可欠なビタミンになります。ビタミンB1が糖質、B2は脂質、B6がタンパク質のそれぞれの代謝を促す働きがあります。B1とB2が不足すると倦怠感を招きやすくなり、B6は中枢神経の働きを正常に保つ作用があります。イライラや不安を和らげる効果が期待できると言えます。
ビタミンCは美容のイメージが強いかと思います。美肌を作る以外にもストレスにとって欠かせない栄養素になります。ストレスを感じると抗ストレスホルモン(コルチゾール)が分泌されます。そこで、この抗ストレスホルモンを作り出す材料になるのがビタミンCなのです。
ビタミンEにも抗ストレスホルモン(コルチゾール)の生成に深い関係があります。ビタミンCと共に作用しあいながらストレスに対する防御反応を高めてくれます。
上記のような栄養摂取がストレスを軽減する上で大切になります。また”睡眠の質”を向上させるためにも栄養摂取が大切です。タンパク質を摂取し、必須アミノ酸のトリプトファンから神経伝達物質のセロトニンや脳内ホルモンのメラトニンが生成されます。メラトニンは深部体温を下げるなどの働きがあるため質の良い眠りをもたらしてくれます。ビタミンももちろん大切です。特にビタミンB群は重要です。夜遅くまで起きてしまうなど不規則な生活で乱れた体内時計をビタミンB群が戻してくれます。ビタミンB群は現代人が特に不足しやすい栄養素と言えます。
一体、睡眠中に何が起きているのか?
唐突ですが、人間の細胞がいくつあるかご存知でしょうか?なかなか想像する機会はありませんよね。
人間の細胞は30兆個から60兆個までと諸説あります。壮大な数ですね。この壮大な数の細胞がいかに活動できるかが筋肉はもちろんのことですが、健康に過ごすことができる重要な要素になります。
私たちの体は1日の中で、その壮大な数の細胞が死と再生を繰り返しています。そして、そのうちの85%が就寝中におこなわれているのです。つまり、これが「体のリカバリー」の正体です。睡眠とはリカバリーを意味し、リカバリーとは回復を表します。睡眠の目的は「体のリカバリー」なのです。細胞が生まれ変わるための材料が栄養であり、条件が良質な睡眠であるということになります。