うま味調味料の危険性とは
100年以上の歴史があるうま味調味料を製造している会社。池田菊苗が昆布からうま味成分のグルタミン酸ナトリウムを発見したのが1908年で、その翌年に友人の鈴木三郎助と一緒に設立した会社です。味気ない食材も「うま味調味料」を入れるだけで見事に美味しくなるこの「魔法の粉」を、飲食店はこぞって買い求めました。1933年には日本国内での年間消費量は500万kg以上に達しました。
日本軍は兵士に供給する缶詰などの配給食にもうま味調味料を使いました。米兵が捕虜の日本兵の所持品から缶詰を見つけて食べてみたら、あまりの美味しさに驚いたそうです。本国に帰った米兵によって日本の配給食のうまさが口伝えで広まり、米軍が本格的に「うまみ」について研究するきっかけとなったという逸話があります。
美味しいだけならいいのですが、このMSG(グルタミン酸ナトリウム)がうまみと引き換えに奪っていくのは健康でした。MSGに毒性があることは、ずいぶん前から知られていました。
味覚を刺激するから美味しくなるのですが、実際はそれだけではすみません。MSGは脳神経をも刺激するのです。急性の症状としては、紅潮、痙攣、頭痛、頭皮の突っ張る感じなどがあります。また、痛みの閾値を下げる作用があるため、慢性疼痛、慢性頭痛、線維筋痛症の人では症状が悪化します。
ミオンパシーでは、こうした症状の改善のサポートをしていますが、栄養改善によって症状の緩和の進捗が、著しく改善する傾向があります。
過剰なMSGは脳内に蓄積しNMDA受容体に作用します。その結果、細胞内にカルシウムが流入し、神経細胞にダメージを与え細胞死を引き起こします。このMSGの興奮毒性が、脳卒中、自閉症、ALS、アルツハイマー病などを引き起こします。
身体に悪影響を与えるうま味成分グルタミン酸ナトリウム
体になぜ悪いのか、その原因も詳細にわかっているのに、国はMSGの使用を許可し「うま味調味料」はどこのスーパーでも買うことができます。食品会社の利権や外食産業の都合など、市民の健康よりも優先される価値観があり、これを基準に世の中は動いているとしか考えられません。テレビやマスコミがお勧めするものを素直に受け取っていては、健康を守れない時代になりました。その一方でインターネットにはたくさんの情報があふれています。自分の健康を守るには、その情報の嵐の中から本当に有益な知識や知恵を探し出し自ら実践していくほかありません。
MSGは日常生活に余りにも深く浸透しているものですから、これを完全に避けるのは難しいと思います。特に外食を全くしないという現代人はあまりいないでしょうから、少しずつ体内に入ってきてしまいます。
グルタミン酸ナトリウムに対する防御策
それでも、オーソモレキュラー栄養療法には、ちゃんと防御方法がありますからご安心ください。MSGがNMDA受容体に結合するとカルシウムチャネルが開いて、細胞内にカルシウムが流入するわけですが、「亜鉛」と「マグネシウム」があれば、このチャネルを閉じることができます。これらのミネラルには神経の興奮を抑制する作用があり、いわばMSGの解毒として作用します。その他、タウリンやピリドキサール(ビタミンB6)も毒性の緩和に役立ちます。
逆に控えるべきサプリメントは、カルシウムとグルテンです。グルテン(小麦、大麦、ライ麦、大豆、乳製品などに含まれる)は体内でグルタミン酸に変換されます。グルテン不耐症の人は、グルタミン酸不耐症だとも言えるわけです。粗悪なパンや大豆の過食はこうして炎症を引き起こすから控えるのが賢明ですね。
アスパラギン酸(アスパルテームの原料)もカルシウムチャネルに作用して神経を興奮させるという、MSGと同じ機序で体に悪さをします。人工甘味料の入ったガムとかフリスクの類は食べないのが賢明でしょう。
認知症とマグネシウム不足の関係は、エビデンスとして相当確度が高いと思います。
参考サイト
中村先生は、両者の間にMSGの摂取量も絡んでると睨んでいますが、そういうことをはっきり示した文献はまだ見つかっていないようです。
いずれにせよ、毎日の健康習慣としてマグネシウムのサプリメントは摂取していて損はないと思います。摂取するなら特にクエン酸マグネシウムが良いと思います。私は、毎日500mg-1000mgのクエン酸マグネシウムを摂取しています。目的はエネルギー代謝効率の向上、筋肉の質の改善、頭痛予防です。今のところかなりポジティブな結果が出ています。
参考
”Excitotoxins~ the taste that kills” (Russel Blaylock著)