頭痛を解消する栄養療法
医師をやっていれば診療現場で必ず遭遇する最も一般的な症状が頭痛です。くも膜下出血や髄膜炎など命に関わる可能性がある頭痛はしっかり対処しますが、それ以外なら「じゃあ、ロキソニンでも出しておきましょう」で終わります。ほとんどの医師が対症療法で症状を抑えることしかやっていないというのが現実でしょう。
かくいう編集者も15年ほど前、ひどい片頭痛に悩まされ頭痛外来が有名な都心の有名大学病院にかかりました。2時間の待ち時間後の診察では、5分の問診で大量のロキソニンを処方されて終わりでした。それ以降も1年ほど前からオーソモレキュラー栄養療法を始めるまでの十数年間は、週に1度きまってひどい頭痛に悩まされていました。栄養改善した今では、すっかり頭痛は消え去りました。
一方、オーソモレキュラー栄養療法では必ず患者さんの食生活について検証します。コーヒーや乳製品など、何らかの食餌性の要因が遅発型アレルギーを引き起こしている可能性はかなり高いからです。もしこのようなケースだった場合は、その原因を除けば見事に頭痛は消失します。あえて何かしらのサプリメントを摂取する必要もないですし、引き算で治癒するならそれが理想的です。患者さんにとっての経済条件も良いと思います。
様々な頭痛とマグネシウムによる治療法
片頭痛、緊張性頭痛、群発頭痛といった分類法がありますが、頭痛の治療としては鎮痛薬の投与一択でしょうから、これは大して意味がありません。頭痛以外でもCTやMRIなどの大がかりな検査をして症状を細かく分類して診断はするものの、治療としては結局ステロイドしかないケースなど。西洋医学は明確な治療法がないにもかかわらず、診断名だけは妙に細分化されているというパターンがとても多いです。みなさんも身に覚えがあるかと思います。
これら患者さんの利益に全くつながらない標準治療ですが、オーソモレキュラー栄養療法でアプローチするならば、これらの頭痛にはどれも「マグネシウム」が著効することが多いです。副作用の多い鎮痛薬を投与するくらいなら、無害なマグネシウムが好ましいことは明らかでしょう。今、現在、頭痛を感じている患者さんなら、硫酸マグネシウムか、マグネシウムを含むマイヤーズカクテルを静注すればてきめんに効果があります。数年間、他に何をやっても治らなかったという頭痛患者さんが、マグネシウムの注射でようやく救われたという話さえあるのです。
マグネシウムが頭痛に効く理由
では、なぜマグネシウムが頭痛に効くのでしょうか?一般の医療現場で標準治療に用いられないのが不思議なのですが、これは血管拍動性であれ筋緊張性であれ、マグネシウムによって血管平滑筋や筋肉が弛緩して頭痛が治まるという実に単純なメカニズムなのです。
中村先生の個人的な実感だそうですが、頭痛が主訴の患者さんを問診していて気づいたことは、その原因が人工甘味料の「アスパルテーム」ではないかということです。アスパルテームは清涼飲料水、ガム、アメなどの菓子類、薬などにしばしば含まれています。カロリーゼロでしかも砂糖の200倍も甘いという、お菓子業界にとっては非常にありがたい人工の甘味料です。
しかし、頭痛、癌、糖尿病、肥満、ひきつけ、失明、アルツハイマー病、パーキンソン病、多発性硬化症、ADHD(注意欠陥・多動性障害)、不妊症、精子奇形など、健康に悪影響を与えることは科学的に明らかに示されていました。体への害はエネルギー代謝障害を引き起こす砂糖などの精製糖類よりはるかに大きいと考えられます。
アスパルテームの歴史を振り返ると、食品への添加が始まる経緯には疑問の余地が多く存在します。新たに食品添加物が開発された場合、その許認可を行うのはFDA(アメリカ食品医薬品局)ですが、1980年まではアスパルテームの使用を認めていませんでした。これは、健康への悪影響が明らかなのですから当然の判断です。
しかし、1981年にレーガン大統領になり、FDAの長官が変更されるとすぐに、アスパルテームの使用が許可されました。アメリカの動きには何でも追随するのが日本ですから、日本でもアスパルテームの使用はすぐに許可されました。「国が許可している添加物なのだから、大丈夫だろう」という考えは、そろそろやめるべきかと思います。国民の健康を考えるなら絶対認めてはいけない添加物が、政権交代と同時に認められたという流れは知っておくべき事実でしょう。
人工甘味料は、サッカリンに始まり、アセスルファムK、トレハロース、スクラロース、キシリトールなど非常に多くの種類が食物に添加されていますが、その安全性について科学的に証明されているものは少ないと考えざるをえません。