老化の原因、その名もAGEs

同年代と比べ衰えを感じる…その原因はAGEsかもしれません

AGEsってなに?

AGEsとは終末糖化産物の略称で、体内のタンパク質(主にコラーゲン)が余分な糖質と結びつき変性したものです。AGEsは、一度できたら分解されず細胞内に蓄積されます。タンパク質は身体の材料で、あらゆるところに存在するので、肌のしみ、しわ、糖尿病、動脈硬化、高血圧症、がん、腎疾患、骨粗鬆症、神経疾患白内障、認知症など、様々な疾患と関わっています。

AGEsは1912年、フランスの科学者メラールによって発見されました。タンパク質は、20種類のアミノ酸で構成され、アミノ酸と糖質を一緒に加熱すると褐色になることを発見しました。メラールの英語読みで「メイラード」そこから「メイラード反応」と呼ばれています。パンケーキ、食パン、タコ焼きなど、タンパク質と糖質を含む食材を加熱すると褐色になりますが、これらはメイラード反応によるもので、AGEsが大量に発生します。美味しそうな色をしたものには大抵AGEsが大量に含まれています。

AGEsが生まれる反応は一方向のみで、終末糖化産物という言葉からもイメージできるように、一度出来たAGEsが元のタンパク質と糖質に戻ることは残念ながらありません。

AGEsの増加による弊害

筋肉が緩みにくくなる?血管の老化?

筋肉チューニングの中で、硬い筋肉の多い方や、筋肉が緩みにくい方のAGE値を計測すると、年齢の標準値より高い傾向があります。タンパク質は、「分解」と「合成」を繰り返し新陳代謝で常に入れ替えることで私たちの身体をつくっています。同じタンパク質を使い続けると強度が低下しますが、それを防ぐために定期的に入れ替えています。AGEsは、タンパク質を攻撃し、その機能を低下させる働きがあります。古くなったコラーゲン線維は酵素で分解されて、新しいコラーゲン線維となりますが、AGEによって分解が起こらなくなり、古くて機能が低下したコラーゲン線維がいつまでも残ってしまいます。

AGEsの害を受けやすいタンパク質の1つに「コラーゲン線維」がありますが、コラーゲン線維は、体内にある全タンパク質のおよそ30%を占めています。体型の保持や、肌の弾力性や伸縮性を保つ役割を担っています。AGEsがコラーゲン線維と結びつくと、必要な弾力と伸縮性がなくなってしまいます。これが筋肉の緩みにくさにも繋がる可能性があります。また、硬くなってしまった筋肉が元の状態に戻るときにはATPというエネルギー物質が必要です。酸素と栄養を取り込みエネルギーに変換することをエネルギー代謝といいますが、糖質の摂り過ぎによる糖化で代謝不全が起き、筋肉を緩めるエネルギーが不足している可能性があります。

人間の体は優秀なのでAGEsを処理する仕組みが体内にはあります。白血球の一種である「貪食細胞(マクロファージ)」が、AGEsを食べてくれます。ところが、マクロファージはAGEsと同時にコラーゲン線維の一部も食べてしまうので、その後、損なわれたコラーゲン線維を修復するためにコラーゲン線維が過剰につくられてしまいます。
ヘモグロビンというタンパク質の寿命は約120日ですが、コラーゲン線維は15年以上も体内に留まりますので、その間に生活習慣なども改善しないとAGEsの蓄積は止まりません。

血管もコラーゲン繊維でできています。血管は動脈、静脈、毛細血管すべて合わせると、全長で10万kmあり、地球2.5周分の長さです。血管が正常であれば酸素と栄養素はしっかり供給されますが、AGEsの増加で血流が滞ることで必要な栄養素も運ばれなくなってしまいます。血管の老化は身体の老化にも直結しますが、その背後にもAGEsの存在があります。

改善進捗の鍵はタンパク質

2018.11.02

オーソモレキュラー栄養療法

栄養療法を取り入れてAGEsの改善はできるのでしょうか?

オーソモレキュラー栄養療法は1960年代に「正しい量の正しい分子」という定義を掲げ、ビタミンを中心に栄養摂取量を個体に最適化させるという治療法で、その理論を飛躍的に昇華させたライナス・ポーリング博士(ノーベル化学賞とノーベル平和賞を受賞した天才科学者)が名付けた治療法です。現代の標準医療は、手術、投薬、放射線を治療の中心とする西洋医学に基づいています。これは、症状の原因を改善するのではなく、その症状を抑えることに主眼をおく対症療法です。

一方、オーソモレキュラー栄養療法はこうした対症療法とは対極に位置し、その症状の原因にアプローチします。盲目的に手術や投薬に頼るのではなく、患者の栄養状態から導き出された栄養改善策で根本治癒を目指す自然療法です。オーソモレキュラー栄養療法では、砂糖など精製された食品の摂取を控えつつ、

タンパク質 > 脂質 > 糖質
の順番で三大栄養素を摂取していきます。
これにより効率よくエネルギー物質を作り出すことができます。糖質はエネルギーとなるのも早いですが消費も早いです。タンパク質と脂質は持続性があるので過剰な副産物を出さずAGEsも減少していきます。

砂糖の真実

2018.10.19

自分でできるAGEs改善

    1. AGEsはなぜ増えてしまうのか?

下記に当てはまる方はAGEsの数値も高い傾向にあります。

      • 糖質や甘い物、ステーキや焼き魚など加熱した食品の摂取が多い。
      • 酵素量(タンパク質)が減り代謝能力が落ちている。
      • 不規則な食生活。
      • 肥満、運動不足。
      • 喫煙、飲酒の習慣がある。
      • 食べ放題、大盛り無料に魅かれる方。
      • ストレス etc…
    1. AGEsは減らせる?

すぐには変化しませんが食生活や生活習慣を整え、代謝回転が変わればAGEs値は改善していきます。

    • 血糖値を上げないような食べ順を意識。
      →スープ、食物繊維の多い野菜など、たんぱく質を含む肉・魚類、主食の順番で。
    • 調理では焼くより蒸す、煮る、茹でるがお勧め。
    • ジュースやスポーツドリンクなど甘味料入り清涼飲料水を控える。
    • 砂糖の入った甘いものを食べない。果糖も控える。
    • 血糖値の上がりにくい食品を食べる。
    • 暴飲暴食、飲酒、喫煙を控える。
    • 適度な運動。食後に軽くウォーキングなどするだけでも血糖値の上昇は防げます。ただし運動直後に清涼飲料水を飲むと本末転倒なので注意してください。
    • 睡眠時間の確保。
    • ストレスをためない生活。
    • AGEs低減を促進する有機ゲルマニウムの摂取。
    • 糖質の代謝を促すビタミンB1、AGEsの吸収を阻害するB6の摂取 etc…

AGEs検査(体内糖化度検査)

あなたの老化危険度がわかる?

AGEsは加齢により上昇する傾向にあり、体内年齢を推測することができます。健康そうに見える方でも数値が高い方は体内で健康が損なわれているかもしれません。医療業界でも注目されているAGEsの検査を行う内科クリニックも増えてきています。医療機関によっては検査費用は高額ですが、当サロンでは無料でお受けいただけます。

AGEs値を改善し筋肉の質を高めた状態で施術をお受けいただくことをお勧めしています。AGEsの高い方には、食生活など心当たりがあれば簡単なアドバイスをさせていただきます。糖化によるAGEsの増加は「老化」と「病気」の大きな要因です。ご自身の努力でも糖化を抑制することができます。若さと健康のために、この機会にご自身のライフスタイルを見直してみませんか?

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オーソモレキュラー栄養療法で筋痛症改善を!

神戸ナカムラクリニックの中村篤史院長がUROOM調布成城にてオーソモレキュラー診療(自由診療のカウンセリング)を不定期ではありますが月に1回、10名様限定で実施いたします。筋痛症を根本から改善されたい方、筋肉の質を改善されたい方などはぜひご参加ください。



腰痛改善の鍵は高たんぱく質


筋肉のロックが原因となる腰痛、股関節痛、膝痛、五十肩などの疼痛ですが、発症した方の多くが、”質の栄養失調”に陥っています。
腰痛を改善するための体質改善にとても重要な栄養素、たんぱく質を摂取することで痛みが改善するメカニズムを詳しくご説明いたします。


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筋肉チューニングサロンUROOM

筋肉と向き合い體の本質を探究している整体院です。硬く縮こまり続ける状態の「筋拘縮」が痛みの多くの原因になっている可能性があります。筋肉の解除には筋肉チューニングと呼ばれる徒手施術が必要ですが、そこには「栄養」も大きく関わっています。 施術、栄養、セルフケア運動と體の本質から痛みからの解放のためのサポートをしていく整体院です。